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注目記事

「美味しさは戦略の中核にならないのか?」

ちょっと長いよ・・・

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■ マクドナルドをめぐる最近の記事を読んで気になったこと

最初に気になったのは以下の記事だ。

  • 東洋経済オンライン 2016年9月13日

マック「ランチ割引」、なぜ1年ぶりに復活? 迷走するお昼のキャンペーン
http://toyokeizai.net/articles/-/135468

不祥事続きで原田さんが退任しカサノバさんが後を引き継いだのは2013年だったろうか?
その後も赤字が続いていたのだが、今年になって赤字を脱却したという記事をしばらく前に見た。

  • ITmediaビジネス オンライン

マクドナルド、1~6月期は2期ぶり営業黒字に 「回復基調にある」
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1608/09/news117.html

マクドナルドの赤字続きは、もちろん食に対する安心・安全に対する消費者の不信があるのだろうが、個人的には、以下が理由ではないかと思っていた。

① 社員を大切にしない
最初にあれっと思ったのは、「60秒ルール」だった。
もちろんお客様を不要に待たせないことは必要かもしれないが、無理に早くさせることに何の意味があったのか?
当時のブログなどを見ても、働いている人にとってもお客様にとってもよい評価は見当たらない。
個人的には、出来合いのものをいかに早く梱包するのかの競争であっていまいちうれしくない。

② ビジネスパートナーを大切にしない
これは、戦略的な意味合いがあったのだろうが、フランチャイズ化を押しすすめ、旧来からの直性点を減らしたという記事だったような気がする。
論点としては、「昔から働いている仲間を切り捨てる」ように見えた。

③ お客様をバカにしている
そもそも、戦略の中心はメニューの改変だ。
メニューを目新しくして、その時々で価格をいじり、お得感を出すというのは消費者を財布とみているのだろう。これも個人的な感覚なのだが、お客をバカにしているとしか見えない。

そうした中で、カサノバさんが誇らしげに黒字を言うのが違和感があった。
何がおかしいのだろう?

上記の記事の中では、黒字化の理由を以下のように記述している。

営業損益は当初18億円の赤字を見込んでいたが、「おてごろマック」の導入効果などで客足が戻りつつあり、店舗運営やマーケティングなどコストの効率化も進めた結果、利益改善が進んだ。

要は「価格戦略」と「コスト改善」ということなのだろう。
これは以下が証明している。

■ マクドナルドがやってきたこと

マクドナルドの凋落は2012年ごろから始まっていたようで、関連する記事を、どういった施策を打ってきたのかに着目して列記してみる。

ほとんど引用なので申し訳ないが、マクドナルドが紙面をにぎわしたと思われる記事を探してみた。

▼ 2012/11/3 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK31011_R31C12A0000000/
マクドナルド、カウンターのメニューが消えた理由
狙いは顧客満足向上、広がる戸惑いの声

「マクドナルド」の店舗で10月初め、レジカウンター上にあったA3サイズのメニューが姿を消した。戸惑いの声はネット上で渦巻き、波紋が広がる。日本マクドナルドが狙ったのは顧客満足の向上で、替わりに大型のメニューポスターや手に取れるメニュー表を用意した。

▼ 2012/12/20 マクドナルド ニュースリリース

“唯一無二のおいしさ”を今味わおう!
「ビッグマックキャンペーン」
2013年1月4日(金)より
http://www.mcd-holdings.co.jp/news/2012/promotion/promo1220.html

<「ビッグマックキャンペーン」実施内容>
(1)「ENJOY!60秒サービス」キャンペーン
お会計終了後から商品お渡しまでの時間を砂時計(ドライブスルーはタイマー)で計測し、60秒を超えて商品をお渡しした場合、「ビッグマック」等のハンバーガー類と交換できる無料券をご提供いたします。温かくおいしい出来たての商品を、スピーディーにご提供するマクドナルドの「メイド・フォー・ユー」システムを、ゲーム感覚で楽しみながらお客様に改めてご体験いただきます。
(2)「成人の日キャンペーン」
2013年1月14日(月・祝)“成人の日”、全ての新成人の方に「ビッグマック」の“大人の味わい”をお試しいただけるよう、「ビッグマック」1個をご提供します。
(3)「Big Mac Award」
(1)若手クリエイター応援企画
マクドナルドの特設Webサイトにて、「アート」「ミュージック」などのジャンルで「ビッグマック」をテーマにした作品を募集し、優勝者の作品は店舗装飾やTVCMに採用されるチャンスも!「ビッグマック」を通じて、若手クリエイターの夢を支援してまいります。
(2)カスタマー参加型企画
「あなたなりの“ビッグマックの食べ方”」の写真もしくはテキストを、特設Webサイト上で募集いたします。
(4)「メガマック」復活販売
「ビッグマック」を進化させた「メガマック」が期間限定で復活します。4枚のビーフパティでビッグな味わいをお楽しみください。

▼ 2013/1/23 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGF1804C_Y3A110C1SHA000/

「おかしい。顧客が戻らない」。2012年夏、日本マクドナルドホールディングス会長兼社長の原田泳幸(64)は手元に上がってくる販売実績に首をひねった。11年夏は福島原発事故に伴う節電で売り上げが減ったが、12年には戻ってくるとの読みがあった。何が問題なのか。自問自答した結果、一つの結論に至った。「もはや100円メニューにお得感はない。新たなバリューの提供が必要だ」

参考:「100円あったらマックへ行こう」
これは、もうすでに記事がはっきりしないのだが、どうやら2006年ごろからやっていたようだ。
メニューはだいぶ減っており、2016年9月16日現在、朝マックで「ソーセージマフィン」のみが100円になっている。
100円しかなくてマックに行っても何がうれしいんだろうという気がする

▼ 2015/5/21 マクドナルド ニュースリリース

~野菜をさらに楽しめる新商品が勢揃い~
色とりどりの野菜を練りこんだチキンパティと特製ベジタブルソースによるフレッシュな味わい
「ベジタブルチキンバーガー」「ベジタブルチキンマフィン」
ジャーサラダのスタイルでお楽しみいただく期間限定の新サラダ
「サイドサラダ バジルソース」
サイドサラダ用のドレッシングの新たなチョイス
「低カロリー玉ねぎ」
5月25日(月)から販売開始

※ 現在のマクドナルドのメニューには見当たらない。開始のニュースリリースはあるのだが終了はわからない

▼ 2015/10/15 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL15H9K_V11C15A0000000/

マクドナルド、500円の新セットメニュー 「昼マック」は廃止

日本マクドナルドホールディングスは15日、新メニュー「おてごろマック」を26日から全国で導入すると発表した。「エッグチーズバーガー」など新たに定番商品入りする3種類のハンバーガーを単品では税込み200円、好みのサイドメニューやドリンクを選べるセットメニューでは同500円で販売する。従来の割引制度「昼マック」と異なり、午前10時半以降なら曜日を問わず利用できる。

新セットメニュー導入に伴い、平日の午前10時半から午後2時までセットメニュー約10種類の値下げを行っている現行の「昼マック」は23日をもって廃止するため、実質的には値上げとなる。

同日記者会見したサラ・カサノバ社長は新メニューの導入について「10年前の100円マック登場以来の大きな変化となる」と話し、「マクドナルドだけが提供できる革命。手ごろさの新時代を切り開くもの」と自信を見せた。

▼ 2016/4/19 日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/041800209/?rt=nocnt

「グランドビッグマック」ヒットに透ける衰え

日本マクドナルドが、4月6日に期間限定で発売した「グランドビッグマック」(税込み520円)。グランドビッグマックは、肉の量が「ビッグマック」の1.3倍超と、巨大なハンバーガーだ。販売数が予想を上回ったため、販売数を一時制限する事態に陥った。グランドビッグマックよりもサイズが大きく、肉の量がビッグマックの約2.8倍にもなる「ギガビッグマック」は完売し、既に販売を終了している。

さて、ここまでの記事を見ているといくつか気が付くことがある。
最後の記事は、マーケティングのことなのだろうが、これを踏まえてマクドナルドがこだわっていることは

① 価格帯
② メニュー構成
③ コスト

の3つになりそうだ。
100円マックや朝マックなど、価格帯をいじることで収益性を高める。
目新しい言葉で商品を組み合わせ、あたかも新しい商品が出たように見せる
60秒メニューやメニュを店先に置かないなどのオペレーションで効率を上げる

こうしてみると、マクドナルドの戦略は何を目指しているのかに興味がわく

■ 成長マトリックスで見ると

経営戦略を考えるフレームワークの一つに「成長マトリックス」というものがある。
これは、市場と製品の既存/新規の程度で戦略を分ける考え方で、下図のようになる。

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マクドナルドのような企業を考えると、市場浸透戦略と製品開発戦略の組み合わせになるだろう。
こうした視点では、製品のモデルチェンジ(メニューの改訂)やキャンペーンにより顧客の関心を呼ぶということが間違っているようには見えない。

にもかかわらず、紙面などでは「迷走するマック」と揶揄されるのはなぜなのだろう。

戦略を考える手助けとして、発想シートを活用することがある。
これは、一つのキーワードから出発して、連想したものを次々に書いてゆくツールで、正しさはともかく全体像がつかみやすいということで、私が多用しているものだ。

ファストフードを起点としたものを例として載せる。

ファストフードを起点として連想した言葉

さて、これで見ると、どんなところがライバルになり、どんな価値で競争しているのかの外観がわかる。

少なくとも、「腹いっぱい」とか「健康」というキーワードは出てこない。
もちろん劣悪なものは困るが、少なくとも、高級料理店のようなものは求めていないし、食べ放題のようなものも求めていないではないか?

そうしてみると、上記の成長マトリックスの戦略でかけているのは、製品そのものの訴求力の考え方ではないのかと感じる。

既存の製品の量を変えたり、求めてもいないものを製品化したり、原価がわからないことをいいことにメニュー価格を変えることではないのではないか?

■ マクドナルドは何にこだわっているのか

「らしさ」がブランディングでは重要だといわれている。
では、マクドナルドは何を重視しているだろうか?
参考のために、いくつかの競合になりそうなところと比較してみよう。

▼ マクドナルド
http://www.mcdonalds.co.jp/safety/index.html

「見える、マクドナルド品質」として、
・アレルギー・栄養。原産国状h上
・食材の道のり~産地・加工工場~
などがあり、基本は安全・安心の取り組みなのだろう。

食材の不正などがあった以上は、まずは安心・安全なのは理解できる。
しかし、「美味しさ」に関しては記事・記載が見られない。

▼ モスバーガー
http://mos.jp/omoi/

「モスの想い」として、いくつかのキーワードが目につく
・みんなの力で野菜をおいしく
・健康想いの大胆ソイパティ
・とことん手洗いとことん清潔
・すべてが「とびきり」のハンバーグ
・ミートソースは二度おいしい
こうした一連のメッセージを見ると、美味しさのためにk風を重ねていることが伝わってくる

▼ 吉野家
https://www.yoshinoya.com/kodawari/index.html

云わずと知れた「うまい・安い・早い」の元祖。
とはいえ、最初は一時期「早い、うまい、安い」の順番だったようです。
「旨い」にこだわっているのだろうということは想像ができます。

上記の「吉野家のこだわり」を見ても、「牛丼の味へのこだわり」が多くのスペースを占めています。

吉野家といえば牛丼ですが、その牛丼の味にこだわり、この味を維持するのだという決意みたいなものを感じます。

かつて、「狂牛病」事件でアメリカの牛肉が輸入できなくなった時に、同じ味が出せないということで販売を中止したことは驚きをもって眺めていました。

▼ すき屋

云わずと知れた、アルバイトを酷使していると悪評のブラック企業だ。
念のために云っておくと、この会社が社員を大切にしていないとは思っていない。
十分なトレーニングもしており、社員教育などもしっかり行っているんだろう。
ただし、優先順位が違うような気がする。

さて、この「すき屋」のホームページを見ると

http://www.sukiya.jp/about/safety.html に以下の記載がある。

すき家(ゼンショーグループ)では、独自のビジネスモデルを構築し、食に関するすべてを自社でマネジメントしています。なぜなら、安全でおいしい「食」を手軽な価格で提供していくことが私たちの使命と考えているからです。

一応「おいしい」をうたっている。
ただし、下記の記載は、本当においしさの追求をどう考えているのかを疑わさせる。

■経営プライオリティは「1.安全、2.品質、3.コスト」
すき家は、何よりも食の安全確保が第一と考えています。安全性を確保するために業界にさきがけていち早く食品安全追求本部を設置し、検査・モニタリング機能を強化し、維持しています。
自分たちが自信をもって「安全で品質がよい」といえるものだけを提供しています。

▼ 名代富士そば

ファーストフードではないが、立ち食いソバの雄「富士そば」

http://fujisoba.co.jp/food/ では下記の記載。

・味へのこだわり
富士そばがうまくて安い!を実現できるのなぜか?
それは、一日5万食近くを販売するからこその大量仕入れと、各店で手間をかけて提供するという独自のスタイルが、その理由です

として、生そば、つゆなどのこだわりが書いてある。

● 小諸そば

小諸そばの印象は、かき揚げがおいしかったことが印象にある。

http://www.k-mitsuwa.co.jp/komorodiv/index.html

に、

打ち立て・ゆでたて・揚げたて
茹でたての蕎麦と店内で揚げた美味しい天ぷらが当店の自慢です。

とある。

■ 美味しさは戦略の中核にならないのか?

さて最初の問いかけ、「美味しさは戦略の中核にならないのか?」

マクドナルドがすべきことは、ジャンクフードだから美味しさは二の次ではなく、まずはおいしいが最初にくるようにしたほうが良いのではないのか?

そのためには、かつて原田さんがやっていたようにアメリカのやり方をそのまま日本に持ち込むのではなく、日本の味というものに配慮があってもよかったのではないのかと思う。

さて、マクドナルドの黒字化でカサノバさんは喜んでいるようだが、利益が上がっていることと消費者に受け入れられていることは違う気がする。

一年後にまた考えてみたい。

2016年9月16日

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